離婚を考えているけれど、弁護士費用を支払う余裕がない…。
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
経済的な理由で適切な法的サポートを受けられないのは、とても不安なことです。
しかし、費用がなくても離婚手続きを進める方法や支援制度は存在します。
この記事では、離婚を考えているものの弁護士費用に悩む30代女性と、家族法を専門とする経験豊富な弁護士との会話形式で、具体的な解決策をご紹介します。
📝 弁護士費用がない場合の離婚相談
佐藤美香(30代・パート勤務): こんにちは、弁護士先生。
今日は無料相談会に来ました。
実は離婚を考えているんですが、弁護士さんに依頼する費用がなくて…。
どうしたらいいか悩んでいます。😟
田中弁護士(40代・家族法専門): こんにちは、佐藤さん。
ご相談ありがとうございます。
経済的なご不安があるなかで、勇気を出して相談に来られたことは素晴らしいことです。
まずは、どのような状況か詳しく教えていただけますか? 💼
佐藤美香: 夫とは価値観の違いから、もう3年ほど関係がうまくいっていないんです。
話し合いでの解決も難しいと感じて、離婚を考えるようになりました。
ただ、私はパートで働いていて、収入が安定しないんです。
子どもも二人いて、貯金もほとんどなくて…。
弁護士さんに依頼すると、どれくらいの費用がかかるものなんでしょうか? 🤔
田中弁護士: ご状況、よく理解できます。
まずは一般的な離婚弁護士費用についてお話しします。
⚖️ 離婚弁護士費用の一般的な相場
離婚事件の弁護士費用は、主に以下の3つから構成されています:
- 着手金: 20万円〜50万円程度
- 成功報酬: 20万円〜40万円程度
- 実費: 数千円〜数万円(交通費、郵送費など)
ただし、案件の複雑さや争点によって大きく変わります。
財産分与や養育費、慰謝料など争点が多いほど高額になる傾向があります。
佐藤美香: そんなにかかるんですね…。
私には到底払える金額ではありません。😭
弁護士さんに依頼できないとなると、自分の権利が守られるか不安です。
何か他に方法はないでしょうか?
田中弁護士: ご安心ください。
経済的に厳しい状況でも法的サポートを受ける方法はいくつかあります。
まず、最も重要なのが「法テラス」という制度です。
🆓 法テラス(日本司法支援センター)の活用法
田中弁護士: 法テラスは国が設立した法的支援機関で、経済的に余裕がない方への法律サポートを提供しています。
「民事法律扶助制度」という、弁護士費用の立替制度があります。
佐藤美香: 立替制度というのは、最終的には返済が必要ということですか?
田中弁護士: はい、基本的には分割での返済が必要ですが、月々の返済額は5,000円程度からと負担が少なくなるよう配慮されています。
非常に低い金利で、場合によっては無利息になることもあります。
✓ 法テラス利用の条件チェックリスト
法テラスの民事法律扶助を利用するには、以下の条件を満たす必要があります:
□ 収入が一定額以下であること(目安:単身者で月収20万円以下、4人家族で月収30万円以下程度)
□ 保有資金が一定額以下であること(預貯金が180万円以下程度)
□ 勝訴の見込みがあること
□ 民事法律扶助の趣旨に適すること
佐藤美香: 私はパートなので、収入条件は満たせそうです。
具体的にはどうやって申し込めばいいんですか?
田中弁護士: 法テラスへの申込みは以下の流れになります:
【法テラス利用の流れ】
①法テラスに電話予約 → ②法テラス事務所で面談 → ③審査 → ④弁護士選任 → ⑤サポート開始
予約は「0570-078374」にお電話いただくか、法テラスのウェブサイトから可能です。
面談時には、収入や財産を証明する書類(源泉徴収票、通帳のコピーなど)が必要になります。
佐藤美香: 審査に通らない可能性もあるんですよね?
その場合は他に選択肢はありますか?
田中弁護士: もちろん、他の選択肢もあります。
次に、無料法律相談サービスについてお話しします。
💡 無料法律相談サービスの活用術
田中弁護士: 弁護士費用が払えない場合、以下の無料法律相談サービスも活用できます:
1.弁護士会の法律相談
- 各地の弁護士会で定期的に無料・低額相談会を実施
- 30分程度の初期相談が可能
- 予約が必要な場合が多い
2.自治体の法律相談
- 市区町村の役所や区役所で実施
- 無料で弁護士に相談できる
- 広報誌やウェブサイトで日程確認
3.法テラスの情報提供サービス
- 法的トラブルの解決方法や相談窓口の案内
- 情報提供自体は無料
4.女性センターの法律相談
- 女性専用の法律相談窓口
- DV問題なども相談可能
佐藤美香: そうなんですね!
実は今日も区役所の無料相談会を利用しているんです。
でも、相談だけでなく実際の離婚手続きとなると、やはり弁護士さんに依頼しないといけませんよね? 🤔
田中弁護士: 必ずしも弁護士への完全依頼が必要というわけではありません。
次に、弁護士なしで離婚する方法についてお話しします。
📋 弁護士なしで離婚する方法
田中弁護士: 離婚には主に3つの方法があります:
【離婚手続きの種類】
協議離婚 → 調停離婚 → 裁判離婚
(簡単) (中間) (複雑)
(低コスト) (中コスト) (高コスト)
1. 協議離婚
- 夫婦間の話し合いのみで成立
- 弁護士費用は不要
- 離婚届と離婚協議書の作成のみ
2. 調停離婚
- 家庭裁判所の調停委員が間に入る
- 申立費用は数千円程度
- 弁護士なしでも本人が対応可能
3. 裁判離婚
- 最も複雑で費用と時間がかかる
- 弁護士の代理が望ましいが、本人訴訟も可能
佐藤美香: 協議離婚は夫が応じてくれれば一番いいんですが…。
話し合いが難しい場合は調停になりそうです。
調停でも自分一人で対応できるんでしょうか?
専門的なことがわからなくて不安です。😓
田中弁護士: ご心配は理解できます。
調停でも本人対応は可能ですが、以下のポイントに注意が必要です。
★ 専門家のワンポイントアドバイス ★
調停で自分の権利を守るためのポイント:
- 事前に法律相談で要点を整理しておく
- 財産リストを作成し、証拠を集めておく
- 養育費算定表で相場を確認しておく
- 離婚後の生活設計を具体的に考えておく
- 感情的にならず、客観的事実を伝える
佐藤美香: なるほど、事前準備が大切なんですね。
でも、完全に一人でやるのは不安です…。
弁護士さんに一部だけ手伝ってもらうことはできないんでしょうか?
💰 弁護士費用を抑える工夫
田中弁護士: その発想はとても良いですね!
全面依頼ではなく、部分的に弁護士のサポートを受ける「スポット相談」という方法もあります。
弁護士費用を抑える方法
1.スポット相談の活用
- 書類作成のみ依頼(3〜5万円程度)
- 重要な場面だけ相談(1回5,000円〜1万円程度)
- 調停前の戦略相談のみ依頼
2.分割払いの交渉
- 多くの弁護士事務所で対応可能
- 月々1万円程度からの分割例も
3.着手金を抑えた報酬体系の弁護士
- 成功報酬型の事務所を選ぶ
- 初回相談無料の事務所を探す
4.法律扶助以外の支払い方法
- クレジットカード払いの活用
- 親族からの借入れ
佐藤美香: スポット相談だと、どんなことをお願いできますか?
田中弁護士: 例えば以下のようなケースがあります:
- 離婚協議書のチェックと修正
- 調停申立書の作成サポート
- 財産分与の計算方法のアドバイス
- 養育費・慰謝料の相場アドバイス
- 調停前の交渉戦略の相談
佐藤美香: それなら費用も抑えられそうですね!
でも、どうやって良い弁護士さんを見つければいいでしょうか? 🤔
🔍 経済的に優しい弁護士の選び方
田中弁護士: 経済的に厳しい状況に理解のある弁護士を選ぶポイントをお伝えします。
✓ 弁護士選びのチェックポイント
□ 初回相談が無料または低額の事務所
□ 料金体系が明確に提示されている
□ 分割払いに対応している
□ 家族法・離婚問題の専門性がある
□ スポット相談や書類作成のみの対応が可能
□ 法テラス契約弁護士である
□ 依頼者の経済状況に配慮する姿勢がある
佐藤美香: 弁護士費用が払えないことを最初に伝えると、相手にしてもらえないのではないかと不安です…。
田中弁護士: 最初から経済状況をお伝えするのは良いことです。
多くの弁護士は社会的使命として、様々な状況の方へのサポートを考えています。
むしろ、後から「実は払えません」と言うよりも、最初に正直にお伝えして対応可能な弁護士を探す方が効率的です。
参考: 宮崎で離婚に強い弁護士- 着手金1万円・夜間休日対応【岩澤法律事務所】
💡 弁護士との初回相談を最大限活用するコツ
1.事前に質問事項をリストアップ
- 限られた時間で効率的に相談するため
2.必要書類を準備
- 婚姻関係を示す書類
- 収入・財産状況の資料
- 子どもに関する情報
3.具体的な質問をする
- 「どうしたらいいですか」より「AとBどちらが良いでしょうか」
4.メモを取る
- 重要なアドバイスは必ず記録
佐藤美香: わかりました!
ここまでいろいろな選択肢を教えていただいて、少し希望が見えてきました。
私の場合、どの方法が一番良いと思いますか?
🌟 あなたに最適な選択肢の見つけ方
田中弁護士: 佐藤さんのケースを考えると、以下のステップが最適だと思います:
【佐藤さんにおすすめの行動プラン】
ステップ1: 最大限の無料サービスを活用
- まず法テラスに相談の予約を入れる
- 並行して区役所や弁護士会の無料相談も利用
ステップ2: 法テラスの審査結果を確認
- 審査に通れば弁護士費用の心配は大幅に軽減
- 通らなかった場合はステップ3へ
ステップ3: 部分的な弁護士サポートを検討
- 初回相談無料・分割払い可能な弁護士を探す
- スポット相談を活用し、重要な局面のみサポートを受ける
ステップ4: 自分でできることは自分で対応
- 必要書類の収集や整理
- 家庭裁判所の案内に従った手続き
佐藤美香: 具体的な行動プランをありがとうございます!
明日にでも法テラスに連絡してみます。
最後に、これだけは気をつけた方がいいということはありますか?
田中弁護士: はい、いくつか重要なポイントをお伝えします。
⚠️ 離婚手続きで注意すべきポイント
- 感情に任せた判断をしない
- 離婚は感情的になりがちですが、冷静な判断が必要です
- 特に子どもの親権や財産分与は長期的視点で
- 口約束だけで済ませない
- 養育費や財産分与は必ず書面に残す
- 調停が成立したら調停調書を大切に保管
- 必要な証拠を事前に確保
- 財産関係の書類(通帳、不動産資料など)
- DV等の証拠があれば写真や診断書
- 子どもへの影響を最小限に
- 子どもを夫婦間の対立に巻き込まない
- 子どもの気持ちに配慮した対応を
- 泥沼化させない
- 些細なことにこだわりすぎず、重要なポイントに集中
- 将来の人生再建を見据えた判断を
佐藤美香: 本当に参考になりました。
お金がなくても諦めなくていいんですね。
今日は相談に来て本当に良かったです。
ありがとうございました! 😊
田中弁護士: お役に立ててよかったです。
経済的な理由で適切な法的サポートを受けられないというのは、あってはならないことです。
佐藤さんのような方が、少しでも適切なサポートを受けられるよう、私たち弁護士も努力しています。
何かあればいつでもご相談ください。
お力になれることがあれば幸いです。
📑 まとめ:弁護士費用がなくても離婚手続きを進める方法
経済的に厳しい状況でも、以下の方法で離婚手続きを進めることができます:
- 法テラス(日本司法支援センター)の活用
- 民事法律扶助制度で弁護士費用の立替制度を利用
- 収入・資産条件あり、月々5,000円程度から返済可能
- 無料法律相談サービスの利用
- 弁護士会・自治体・法テラスなどの無料相談
- 女性センターなど専門の相談窓口も活用
- 弁護士なしでの手続き
- 協議離婚や調停離婚は本人対応も可能
- 事前に法律相談で要点を整理しておく
- 弁護士費用を抑える工夫
- スポット相談の活用(部分的サポート)
- 分割払いの交渉
- 初回相談無料の事務所選び
- 費用面に理解のある弁護士探し
- 法テラス契約弁護士を選ぶ
- 明確な料金体系と分割払い対応の事務所
経済的な理由で離婚を諦めることはありません。
様々な支援制度や選択肢を活用して、新しい人生のスタートを切るためのサポートを受けてください。
【よくある質問】
Q1: 法テラスの審査に落ちた場合、他に選択肢はありますか?
A1: 弁護士会や自治体の無料相談を活用し、スポット相談で必要な部分だけアドバイスを受ける方法があります。また、分割払い可能な弁護士事務所を探すことも選択肢です。
Q2: 離婚調停を自分で行う場合、どのような準備が必要ですか?
A2: 調停申立書の作成、財産リストの整理、養育費の希望額の算定、離婚理由の整理などが必要です。家庭裁判所のウェブサイトに様式や記入例があるので参考にしましょう。
Q3: 弁護士費用の相場はどれくらいですか?
A3: 着手金20万円〜50万円、成功報酬20万円〜40万円が一般的です。案件の複雑さによって変動します。
Q4: 養育費や財産分与について自分で計算できますか?
A4: 養育費は「養育費算定表」で目安が確認できます。財産分与は基本的に夫婦の共有財産を半分ずつ分ける原則ですが、専門家のアドバイスを一度受けることをおすすめします。
Q5: 離婚協議書は自分で作成できますか?
A5: テンプレートを参考に自分で作成可能ですが、重要な書類のため、作成後に弁護士のスポット相談でチェックを受けることが望ましいです。